ペルソナ4

Special

[special interview]
脚本・作曲家 麻枝 准氏、岸 誠二監督 [第2回]

スペシャルインタビュー2回目は、岸 誠二監督と、監督が「ペルソナ4」をプレイするきっか けを作った脚本・作曲家 麻枝 准氏との対談インタビューをお送りいたします。
「Angel Beats!」を手掛けたお二人に原作ゲーム「ペルソナ4」の魅力やそのアニメ化について語っていただきました。 全2回のうち、第2回目をお送りいたします。
[第1回第2回]

──本作にはアニメならではの要素も含まれています。例えば、中村あいかというオリジナルキャラクターが出たことについて、麻枝さんはどんな感想を持たれましたか?

麻枝  実はあまりサブイベントをこなさないタイプなので、アニメオリジナルという意識がほとんどありませんでした。「もしかしたらゲーム版でそこまで行けてなかったのかな?」って思っちゃった(笑)。

岸  たしかに麻枝さんにとってRPGの中心は、バランスブレイクするぐらいの戦闘だもんね。武闘派なんだから気づけなくてもしょうがない(笑)。

麻枝 戦闘シーンに関して言えば、アニメに落とし込んだときにキャラクター自身の通常攻撃じゃなくてペルソナが戦うという見せ方をしていることに目が行きました。

岸 そこは割り切っちゃった。もし、主人公たちが武器を持って戦ってるとペルソナの意味がなくなってくるんだよね。もちろん、武器を使って戦う彼らの姿も見たかったんですけど、もし自力で戦えるとなるとペルソナ自体も武器のひとつでしかないみたいな扱いになっちゃうんですよ……。剣や鉄砲と変わらないんじゃペルソナの意味は薄れてしまう。だったらテーマ性に則った上でペルソナによる戦闘一本で行こうと! 人間性が成長するからこそペルソナ自体も成長するし、そこが彼らの成長にも繋がっていくわけで。

麻枝  俺はそのスタンスで正解だったと思います。ペルソナ出すのがとにかく格好いいですし。

岸  よかったー! 麻枝さんがそう言ってくれると、すごく安心する(笑)。心が落ち着きました(笑)。

麻枝  個人的には雪子がお気に入りなので、第4話なんかは天城萌えな視点で見させてもらいました。

岸 いやー、あのエピソードはエフェクトが完全にスタッフ殺しなんですよ。もうしばらく炎は描きたくなくなったなぁ(笑)。スタッフの皆さんも気合いを入れてくださっていますし、よく付いてきてくださっているなと思います。

麻枝  相変わらず過酷な状況になっているんですね(笑)。

岸  うん(笑)。『Angel Beats!』でも第6話でとにかく雨の綺麗なシーンが必要なんだって主張して何度も撮り直したんですが、あのときに近い状況になっているなーと(笑)。やっぱり雪子のエピソードでは炎が必要ですから。私の場合はどちらの作品でも撮影スタッフに恵まれているので、本当に付いてきてくださって感謝しています。

麻枝 岸さん自身もすごいバイタリティだなと思いますよ。ちょっとは楽になってるのかと思ったら、やっぱりこんなことになっていたと。もう一回あの修羅場に戻れって言われても俺はできませんからね。

岸 当時は楽しかったけど、大変だったなぁ……。でも、あのときに学んだことはしっかりと今作でも影響していますよ。雪子のエピソードでいえば、自ら鳥籠を壊すシーンで良い音楽を流そうと考えたのは『Angel Beats!』の経験からです。歌の威力が凄いというのを『Angel Beats!』の第10話で知りましたからね。

麻枝  良かったですもんね。俺もあのお話は好きです。

──アニメはいよいよ物語の核心に迫る展開となります。

麻枝  やっぱりプレイヤーとしては真犯人を追いつめていく、あのテンポがどうなっているのか気になります。一番カタルシスを感じられた部分ですから。RPGの中心である戦闘を混ぜずにどんどんテンポアップして突き詰めていくという流れが良くって。そこがどう再現されていくのか楽しみです。

岸  そこは俺も一緒だから大丈夫!(笑)。 というか、きっと最後まで遊んだ人はみんな同じ感想を持っていると思う。なので、お客様にも「大丈夫です。心配しないでください」と改めて言いたいですね。制作現場は今も死にかけていますが、ラストに向けて加速するあたりでさらに洒落にならない地獄が待っているのはしょうがないでしょう(笑)。

麻枝  岸監督の作り方だと思うんですけど、新しいことを試しながらも違和感を絶対覚えさせない。そういう作り方をしているんでまったく期待を裏切ってないという部分がすごくあるんですよね。だから、このまま期待していっても、完璧に裏切らないまま最後まで走ってくれるんだろうという確信があります。

岸 ねー、このね……麻枝さんのメッセージが載った瞬間にハードルが5段階くらい上がるっていう。いや、いいと思います! 上げてください。上げて制作現場にプレッシャーを与えてください! 今作っているアニメがどれだけとんでもない期待を背負っているのか実感するがいいと(笑)。

──麻枝さんの今後の活動も楽しみです。

麻枝  実は今、Supercellでボーカルを務めていたやなぎなぎさんと組んでレコーディングをしている最中です。自分でもすごく良いアルバムになっているという手応えがあるので、宜しければそちらも手にとってみてください。

岸  麻枝さんが手応えがあるとおっしゃるということは本当に凄いんだと思います。ぜひ1枚と言わずに2枚、3枚と手にとっていただければと! そして、こちらも一切ブレずに最後まで突っ走るんで、乞うご期待。原作ファンの方はそのままお楽しみいただけると思いますし、原作知らずにアニメから見ていただいた方も、今後は面白い話がも続きます。どうぞ最後まで付き合ってください。今後も色々やりますよー!

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